お盆のこと 第11号
 7月13日から7月16日までは、お盆です。
13日の夕刻は、迎え火といい、お墓からわが家に新しくなくなられたお方のみたまやご先祖さまをお迎えし、15日は、読経の供養を行い、16日は、送り火を焚いて冥界にお送りするということになっています。
 お仏壇には、さまざまのお供えものをいたします。
 地域によっては、ひと月おくれて行うところもあります。
 日本人にとって、お正月とお盆は、もっとも大きな生活行事でしょう。
 お盆は、新しくおなくなりになったお方やご先祖さまに対してご供養し、感謝するのです。
 私たちは、両親があって生まれました。ご先祖のない人はいません。私の父親は殺してやりたいほど憎い人だと私にうったえた人がいます。しかし、そのあなたの存在は、その親をぬきにして考えることは出来ません。そして、あなたも、やがて、人の親になるかも知れません。
あれやこれや考えると、お盆は、この自分というものの過去、現在、未来を考えていくよすがといえましょう。
 さて、お盆は、「仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)」というお経にもとづいています。しかし、このお経があることも、あまり知られていないようです。けれども、このように仏教のお盆には、そのもととなる教えを説いたお経があるのです。
 平成11年、私は巡拝団の団長として、インドの仏蹟をおまいりしました。おシャカさまがお悟りをお開きになった聖地・ブッダガヤーへまいりました。
ブッダガヤーは、ヒンドゥー教徒にとっても先祖供養の聖地として巡礼は絶えないそうです。
インド人、ことにヒンドゥーたちにとっての祖先崇拝は、日本人の想像をこえるものがあり、儒教国のアジア諸国におけるそれよりも、まさるともおとらないものがあるといいます。
 私は、日本のお盆は、やはり、中国大陸や朝鮮半島をこえて、はるか遠くインドにまでさかのぼることが出来るのではないかと感じたことでした。




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