終戦後、七一年−−−−−− 115号
大乘寺山主 東 鱆チ


 昨年は、大東亜戦争(第二次大戦)、昭和二〇年八月十五日終戦から七○年となり、したがって本年は終戦後七一年を迎える。当時、私は、十歳、国民学校(小学校)の生徒であった。
 それから数年が経って、学校でも、世間でも、自分で考え、自分のやりたいことをやる、これが一番大切だということになった。たしかに、これは、とてもすばらしい方向性だ。これは、それ以前の大方の日本人の生き方に対する反省から出たものであろう。
 自分で考え、自分でやりたいことをやる  自分中心、自己本位の風潮が、過去の権威、常識を根底からくつがえす、そして、これが、学校教育、職場、家庭、世間などを支配するようになって、あげくのはては、たとえば、殺したいから殺す、誰でもよいから殺したかった、親が子を殺し、子が親を殺す。こういう自己破滅の動きが毎日のように、新聞、テレビをにぎわすようになったのではないだろうか。
 宗教、倫理、道徳というか、良識が、ほとんどまったくかえりみられなくなってしまったようだ。
 こういう点について、私は、私としての立場から、やるべきことをやらなければならない。

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