点描・オランダ仏教 127号
 5月20日、成田国際空港出発、25日到着。オランダ王国アムステルダムの北東、フローニンゲンの地にある禅(ぜん)川寺(せんじ)(Zen River. 住職コペンズ天慶老師)に出掛けて来ました。同行者10名。
 道元禅師とくに瑩山禅師について提唱をしてほしいとの御要望です。あたかも摂心中、各国からの参加者40数名。演題は「仏教の根本――その継承と展開」。オランダで瑩山禅師のことが話されたのはこのたびが最初という。予想以上によろこんでいただいた。
 禅川寺は、坐禅堂、法堂(本堂)、応接間、講堂、典座寮などなどがそろっている。すべてコペンズ住職らがつくりあげたという。
 オランダ王国には、たしか昭和50年、訪れたから、今度は二度め。
 アムステルダム空港を歩いていると、大きな仏像を散見する。観光地の売店にはタイの仏像が売られている。仏像は、幸福を招く福の神らしい。訪ねてきたライデン大学の学生二名は、金沢大学に留学して、大乘寺へも坐禅に来た。来年も来たいという。禅、瞑想の道場があちこちにあるらしい。
 禅川寺のあたりは、むかしキリスト教の教会がいくつかあったが、いまは古い教会がのこっているのみという。キリスト教の教会は、さびれつつある傾向らしい。日曜日の礼拝も形式を踏襲しているだけだ
という。日本の多くの既成仏教寺院の現状に似ていると感じた。

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