「花まつり」法要と「動物諸霊供養」 第19号
 4月8日は、お釈迦さまのお祝いをする「花まつり」です。
 今年、大乘寺では、「花まつり」法要にひきつづいて、「動物諸霊供養」をいとなみました。
 そのとき、お配りした趣意書は、次のとおりです。来年の4月8日も午前十時からいとなみます。今年に続いてぜひお参り下さい。

「犠牲になった多くの鳥、魚、牛、犬、猫、モルモットなどたちに懺悔と感謝のおもいをこめてご供養しましょう。
 最近、わが国では高原病性鳥インフルエンザ問題によって幾千万羽の大量の鳥が処分され、またコイヘルペス問題でおよそ四千トンの養殖コイが廃棄され、さらにまたアメリカでは牛海綿状脳症問題で約450頭以上の子牛などが処理されたといいます。
 聞くところによれば、毎年、犬や猫など5〜60万頭も殺処分されているそうです。また動物実験で苦しんでいるもの、人間の責任放棄で餓死に追いやられたもの、私どもの知らないところで処理されたもの、それらの実態は、私どもの想像をはるかにこえるところがありましょう。
 もちろん、それはそれ相応の背景、事情があってのことであるにちがいありません。しかし、そのほかの小動物たち自身の責任でもなければ罪でもないような気がしてなりませんが、どうでしょうか。
 私たちは、ひごろ、鳥、魚、牛たちのいのちをいただいております。犬や猫、モルモット、小動物たちに支えられ、助けられています。
 そもそも、このような生きものの大量の処分、廃棄や、人間の側の一方的な都合で実験し、放棄しているところに私たちの生活があることえを考えるならば、私たち人間の生活がどれほど多くのいのちの犠牲のうえになりたっているかに思いをいたし、懺悔せずにはいられぬとおもいます。
 大乘寺の第二代の住職で、やがて永光寺(羽咋市)、大本山總持寺を開いた曹洞宗太祖瑩山禅師は、およそ七百年あまりまえにこの北陸の地に生まれ、活躍し、その生涯を全うされました。瑩山禅師さまは、毎年、暮れになると、牛、馬、禽獣、鳥、虫類など、すべての生きものに対して、ご供養をなさっていらっしゃいます。
 あたかも、今日は、およそ二千五百年まえに、全てのものの師おしゃかさまがこの世に降臨されたことをお祝いする花まつりの日です。
 世界に新しい光がかがやくこの日、大乘寺では、犠牲となった多くの生きものたちに対して、まごころをもって合掌し、法要をおつとめし、感謝と懺悔のおもいをこめて、ご供養いたします。

                          平成十六年四月八日      大  乘  寺   」




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