わたくしの金沢(4) 第42号
 昨年の七月二二日付け「北国新聞」は、「「北陸禅の道」発信」、「滞在プログラム策定で誘客」、「坐禅、精進料理、庭園………」などの見出しをつけて、「禅文化」発信研究チームの初会合が、二一日、大乘寺で開かれたことをしらせています。
 また、同日の「北陸中日新聞」は「週末は北陸で禅を」、「新幹線開業 好機に」、「金沢市など五市町合同誘客目指し研究チーム」、「大乗寺で初会合」 などの見出しをつけて、「禅にちなんだ週末滞在プログラムを本年度につくることを確認した」とつたえています。
 この日、曹洞宗大本山永平寺の福井県永平寺町、大本山総持寺祖院の輪島市門前町、瑞龍寺と国泰寺のある富山県高岡市、禅研究の哲学者西田幾多郎を生んだかほく市、それに大乘寺のある金沢市など五市町の担当職員一二名を対象に、大乘寺山主東鱆チが講師となって北陸の禅文化について述べ、初年度のとりくみを協議したのでした。
 この提唱の口火を切ったのは、金沢市であるとうかがっています。
 おもうに北陸地域一帯は、羽咋市の永光寺をふくめて、わが国有数の禅宗寺院が群集しています。
 わが国の曹洞宗は、この北陸の永平寺、総持寺そして大乘寺などを原点とし、核とし、中心として、全国に展開され、いまや全世界の各地にその法灯がかかげられつつあります。
 さて、また、スピーディで顔雑な現代の生活のなかでこころにひずみを生じ、疲れはてて、しらずしらずのうちに、ノイローゼやストレスにおかされ、苦しみ悩んでいる人は多い。
 もちろん、禅や仏教は、苦しみ悩んでいる人たちのためにだけあるのではないといわれるかも知れませんが、多くの人たちが、この地域の禅宗寺院や施設を活用していただくこととなれば、その役割の一分を果した施設や寺院もまた、救われることになるでしょう。

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