第二回『眼蔵会』 第72号
 「眼蔵会」とは、わが国・鎌倉時代の禅僧で、永平寺(福井県)を建て、わが大乗寺を開いた
第一祖徹通禅師(てつつうぜんじ)を育(そだ)てた道元禅師(どうげんぜんじ)の代表的
ご著述『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』を学ぶ集いのことです。

 第一回は、昨年の七月のはじめに開きました。全国から多くのかたがたがおいでいただきました。
とても充実した盛大な会となりました。
 私は、『正法眼蔵』がおよそ九五巻もありますので、これを道元禅師ご自身のことば
「仏祖正伝(ぶつそしょうでん)の法(ほう)」と、「発心(ほつしん)、修行(しゅぎょう)、
菩提(ぼだい)、涅槃(ねはん)」の二つをキーワードとして、これをベースとして体系化して
理解することをこころみています。
 昨年につづいて、今年も「仏祖」について学びます。「仏祖」とは、仏さまと歴代(インド、中国、日本)のお祖師さまのことです。「行仏威儀(ぎょうぶついいぎ)」の巻をとりあげます。
 仏教は、仏の教えですが、その仏とはなにか、仏さまの原点、根本について学びます。
私の師は、「すべては、自分にはじまり、自分におさまる」といわれました。
仏教は、自分を学ぶことだといつも教えられました。
 世の中は、よりスピーディになり、複雑となり、人間関係はわずらわしくなり、おたがいにいろいろな
悩み苦しみをひきずって歩いています。自分が自分でどうしようもなくなっているということでしようか。
それは仏さまとは、どんなかかわりになるのでしよう。私自身にとっても、さらに自分をたしかめる
きっかけになればさいわいというものです。

(『正法眼蔵』「生死」の巻(8)は、次回にまわします)

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