禅の心を世界の人びととともに 第31号
 大乘寺の法堂(はっとう・本堂)や事務所のよこには、「参拝ノート」がおいてあります。おまいりの方がたが、おもいのおもいのことをしるされています。
 「参拝ノート」の内容の一部は、すでにご紹介したことがあります。
 大乘寺には、おおぜいの人が参拝にやってきます。
 外国人の参禅者も多いのです。
 たとえば、さきごろ、五月の一日から五日までの摂心会(せっしんえ)には、若い女性をまじえて五名のかたが、朝から晩まで、熱心に坐禅にとりくみました。日本人や当寺の修行僧も顔まけです。
 「A GOOD TO SEE GOD」
 「HAPPY TO BE HERE SANKYO」
 「I AM VERY HAPPY TO BE HERE!」
そのほか、いろいろ「参拝ノート」に書いてあります。
 「今日来此寺拝佛、心口非常良好、愿本寺越来越美好、也愿我口自己平安無事、学業□成、中国留学生四人」
 「今天是个□得的好天気!!非常感謝」
 中国人のメモでしょう。中国語に不案内な私には、判読しかねるところもありますが、なん度も目で追っているうちに、なんとなく意味がわかってきました。
 いま、中国と日本の外交関係は極度の緊張状態がつづいています。
 わが曹洞宗の曹洞宗平和友好訪中代表団団長・有田宗務総長は、五月のはじめ、永平寺、總持寺の両大本山貫首の親書を中国政府首脳に手渡し、事態の沈静化と正常化に敬意を表し、あらためて友好継続を表明しました。(『仏教タイムズ』5/11)。
 私の恩師は、インドと中国と日本が、仏教の不殺生戒をしっかりまもって努力すれば、世界の平和は実現すると、五十年まえに断言されました。
 私たちは、仏教者として、世界の平和の実現に「不殺生戒」をまもって、つとめていかねばならないとあらためて痛感しています。






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